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【北京=菊池敏也】中国の温家宝首相は十四日、全国人民代表大会(全人代)閉幕後、国内外約七百人の記者と会見し、二時間近くにわたって質問に答えました。
温首相は、この二年間にあらわれた中国経済の諸問題に対して、「断固としたマクロ規制の措置」をとり、経済の大きな変動を防ぐことができたと評価。一方、エネルギー不足の深刻化や再び投資が過熱する可能性をあげ、経済情勢は依然厳しいと強調しました。「流れに逆らい船を進めるようなもので、進まなければ退くことになる」と、財政、金融政策などマクロ規制の強化を通じて、経済を安定的に発展させる立場を示しました。
また、二〇〇五年を「改革の攻略年」と位置づけ、(1)行政(2)国有企業(3)金融(4)農村(5)社会保障制度―の五つの改革を提起しました。
「重点中の重点」の農業、農村、農民(三農)問題については、改革がすでに第二段階に入っていると述べ、(1)農民の負担軽減(2)水利施設や農業技術の普及(3)教育など社会事業の発展(4)村民自治や直接選挙を通じた民主主義建設―を推進する必要性を強調。土地の集団所有を前提としつつ、農民の土地に対する経営・生産自主権は「永遠に変わらない」と強調しました。
周辺諸国との関係について答えた中では、昨年ロシアとの間で「戦略的協力パートナーシップ」を確立したことを高く評価。とくにロシアとのエネルギー協力を重視し、石油の鉄道輸送の増強のほか、シベリアと中国を結ぶパイプライン建設にも言及しました。
インドとの関係では、国交五十五周年の今年を「友好協力の新たな起点としたい」と発言。二十五億人を抱える両国の友好関係が世界にもたらす意義ははかり知れないと強調しました。 |
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